「ドロケイの秘密??」

2024年10月30日

「ドロケイ始めるよ~!やりたい人は集まれ~!!」

 ドロケイ?ケイドロ? 呼び名は地域で違いがあり、呼び名論争になったことはありませんか??(ちなみに、かつきはケイドロ派。)
 きっと多くの人が、こども時代に経験したことのある遊びの一つだと思います。
今回は、そんなドロケイから垣間見えたエピソードを紹介します。

 冒頭の一文は、猛暑日が続く前のこどもの森で、『特定の時間』になると、よく聞こえてきた声です。声というよりは、もはや叫び声!(笑)
 この声、一見「うるさい」と感じたり、「そんなに大きな声で言わなくても…」と思う人もいるかもしれません。だけど、これがその子の本当に「やりたい!」気持ちの表れ、「心の叫び」です。
 こどもの声の大きさが、こどもの心の叫びが、想いの強さなのだとしたら、「こどもの声がうるさい」という苦情は何を意味しているのか…。こどもの「やりたい!」を封じ込めることになる!?
 座っているかつきの耳元で響く、たしかにうるさい声を聴きながら、ふとそんなことを考えていました。

 さてこの話、『特定の時間』というところも、実はミソなんです!

 ドロケイが始まるのは、決まって16時以降。別にそんなルール設けてないんだけど(笑)、こどもたちの中には、こだわり?ルーティン?のような何かがあるらしい。
 たとえ16時前に「やろう!」という声が挙がっても、「いや、16時を過ぎてからにしよう。」とか「まだ早い。」などと、別に大したことを言ってるわけではないのに、提案者たちを「たしかに!」と、なぜか納得させてしまう。(笑)
 その神通力というかなんというか。何かが伝播し、そうさせている光景を、かつきは、ニヤニヤしながら面白がって見ています。

 いや、でも気になりますよね。なぜ「16時以降」なのか?

 こどもの森には、いろんな人が遊びに来ます。興味関心、やりたいことは、人の数だけある。だから、一つの遊びをみんなでする時間よりも、各々が思い思いの遊びを展開する時間の方が多かったりする。
 でも、今ドロケイを呼び掛けている子たちは、単純に人が多かったり、いろんな人が交わる面白さ、みんなで遊んでワーッと盛り上がる楽しさを感じていて、最後はみんなで遊んで、「いやぁ~、楽しかった!またやろうぜ!」で終わって帰りたい。
 また、この時期は17時閉園で、暑い時期だし長い時間やると途中でダレる、抜ける子が出てきてグダグダになるというのも知っている。その日1日を、どう終わるかが大切だからこそ、自らの経験則からこの時間設定なんだろうなぁ…。そう考えると、単純に「すげぇな、こいつら!」と思ってます。
 自分の「やりたい」だけではなく、みんなが楽しくなること、場が盛り上がることを視野に入れて行動しているのだとしたら…。それはもはや、プレーリーダーの仕事を担ってくれているようなものですからね。かなり高度な遊び力です。
 
 それでも、何度も何度も時計を確認しに来て、「くそっ、まだ16時じゃないのかー!」とワクワク待ち遠しむ姿を見ると、つい笑っちゃいますがね。(笑)

 楽しかったことは、またやりたくなるもの。それが、今は「ドロケイ」という遊びの中には詰まっていて、人やカタチを変えても伝播しながら、こどもの森のブームになっている。
 だから、16時過ぎに来園して、「あれっ、今日はまだドロケイやってないの!?」と園内の様子に驚く子もいるし、あたかもドロケイが始まっているだろうという前提で、「ドロケイ入れてー!」と目を輝かせて16時半頃に来園する子もいる。

 そして、最後にもう一つ。
ソワソワしながら恐る恐る小さな声で、「今日は…ドロケイやらないの…?」と聞いてきていた小学3年生が、今となっては叫び声を出す側になって、自ら声を掛けに歩き回り、人を呼び集めている。

 プレーリーダーは、こんな姿を日々目の当たりにしているので、「遊ぶ中で、こどもは育つ」という実感が、「確信」になっていくのだと思います。

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