ギャングエイジ、それは大人からの旅だち
2017年2月15日
無法者のイメージがある「ギャング」という言葉ですが、
実際には「仲間」「集団」という意味。
日本語ではギャングエイジ=「仲間時代」「大人からの旅立ち時代」と言うそうです。
小学校の中・高学年ぐらいから見られ、子ども同士でグループを作り、
親や教師などの大人よりも友人関係を大切にしはじめます。
自立のための第一歩となる大切な時期です。
仲間との関係のなかで出来上がった価値観が中心になり、
親の言うことを聞かなくなったり、
人間関係に揉まれる中でイライラしている様子が見えたりと、
親にとっても悩みを抱えやすい時期でもあります。
ギャングエイジの欠如
しかし近年、グループで遊ぶ時間、場所がないなどの理由から、
このギャングエイジを経験しないまま
成長してしまうということが問題視されてきています。
ギャングエイジを経験できずに成長した場合、
精神的な成熟に不可欠な
「ストレスに耐えて葛藤を克服する」
「相手の感情を汲んで自分の感情を適切にコントロールする」
経験が乏しくなりがち。
誰かと意見の対立があっても、
自分のつらさを乗り越え相手との落としどころを探る、
というスキルを持っていないため、
気が済むまで主張を続け相手を傷つけたり、
自分の感情をひたすら飲み込んでしまったりといった状況に陥るのです。
つい口を出したくなってしまうけど…
こどもの森で遊んでいる子どもたちを見ていると、
自分の「こうしたい!」という思いと、
他人の思いとの違いにぶつかり葛藤し、やがて乗り越えていく姿があります。
「ねえ、俺はこうやって遊びたいのに、こいつが違うことをしてくるんだ!」
そんな風に助けを求められる時も多々あります。
しかし、そうかーと話を聞いているだけで、
自分で解決方法を見つけることがほとんど。
もちろん上手くいくことばかりではありませんが。
「我慢」や「別のことをする」というような方法をとるときもあります。
その瞬間だけを切り取れば「解決していない」のかもしれませんが、
大切なのはいくつかの選択肢から自分なり選べるということ。
時には葛藤に悔し涙を流すときも。
そんな時、話を聞きながら
「今、君はとっても成長してるぞ、頑張れ!」とこっそり応援していたりするのです。
のっしー
※こどもりもりvol.12(2017年2月発行)に掲載のコラムを、編集の上転載しています。