「せっかく水族館に来たんだから、もうちょっと魚見てよ!」と思ったことがあるあなたへ
2017年10月17日
わが子に喜んでほしいと頑張って連れて来ても、
思うように楽しんでくれなくてがっかりしたこと、ありませんか?
「遊び」にもいろいろありますが、
何よりも「子どもがやりたいこと」でなければ、
その子にとって「遊び」ではないのです。
やりたいことを、心が満たされるまでやりきる
――発達心理学的には、そんな「遊び」の積み重ねが、
自分を信じ人生を肯定的にとらえる「生きる力」を育むと言われています。
「遊び」は発達とともに変化していくので、
小さいうちは、大人が「こんなんでいいの?」ということが、
その子にとっては何より楽しかったりします。
教育心理学を専門とする武蔵大学の武田信子教授は、
「子どもは自分の好奇心から遊んでいるとき、自らの脳を育てているんです」
とおっしゃっています。
小さな子が石で公園の遊具の支柱をひたすら叩き続けている時、
キンキンいう音がさっきと今とで少しだけ違うことを感じ取ったり、
叩く場所や強さを変えて感触の違いを味わったりしています。
つまりその間じゅう、活発に脳を使っているのです。
「人はそうして、遊びながら頭の使い方を学んでいきます。
そのように遊んだ子は、学校で教わるいろんなことも、
そのまま鵜呑みにするのではなく、自分で考えて吸収します。
そして社会人になっても、
本当の意味で賢く生きていくことができるのです」(武田先生)。
やがてからだと心と脳が成長し、
一緒に水族館で過ごす時間がもっと楽しい時期が、
きっとやってきますよ。
※ちびもりvol.12(2017年10月発行)に掲載のコラムを、
編集のうえ転載しています。