あそびの「サンマ」が絶滅危機!?

2018年8月3日

みなさんは、「サンマ(=三間)」という言葉、どこかで聞いたことがあるでしょうか?
「サンマ」とは、子どもが自由にあそぶために必要とされる要素
「時間」「空間」「仲間」のこと。
現代の子どもはこの「サンマ」が減っていて、
昔に比べてあそぶことができなくなったというのです。

子どもたちの放課後は、塾や習い事で忙しく、
何をするか自分で決められる時間は少なくなっています(時間)。
車が多いから、不審者が心配だから…あそべる場所は限られ、
公園には「ボールあそび禁止」「大声禁止」の看板が…(空間)。
さらには、みんな忙しく、一緒にあそぶ仲間が少ない、
もしくはいない…(仲間)。
しかし、こうした環境は、単に子どもたちから遊びを奪うだけではなく、
子どもたちの内面にも影響を与えているように思います。

「やってもいいの?」が口癖の子どもたち

「ねえ、あの木って登っていいの?」
「このロープ使っていいの?」
「あの鬼ごっこ俺も入っていいの?」
…子どもたちからよく聞かれる言葉です。
やってみたいという気持ちよりも先に、
「許可されているか」が気になってしまう、そんな気持ちの表れでしょうか。
子どもたちの様子を見ていると、
日々の生活の中で制限があることに慣れ過ぎてしまい、
子ども自身の心の中に「大人の視点」が入り込んでしまっているのを感じます。

「子どもらしく」を受け止められるまちに

「やってみたい!」と感じた瞬間には、もうやっている。
そんな子どもらしい衝動は、
自分を丸ごと受け入れて成長していくために大切なもの。
地域のみなさんの子どもたちへの温かいまなざしや、
「思いっきりあそんでおいで」と送り出してくれる
おうちの方のご理解があるからこそ、
こどもの森では「子どもが子どもらしく」を実現することができています。
でも、本当はこどもの森の中だけじゃなく、
まちじゅうでそんな姿が見られるといいですよね。
子どもがありのままの姿で受けとめられるような雰囲気が
地域全体に広がるといいな、
そう思いながら今日もあそび場で子どもたちを待っています。

※こどもりもりvol.21(2018年8月発行)に掲載のコラムを編集のうえ転載しています。

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