穴を掘ったら、何が出る?
2016年5月27日
「えっ!穴掘ってもいいの?!」
デコボコになっている土の地面と、そこにあるスコップをみて
初めて来た男の子が、少し不安そうに聞いてきた。
僕はこんな風に声をかける。
「好きに掘っていいんだよ。でもね…」
ピクッとその子の動きが止まった。
「……あまり深く掘りすぎると、“マグマ”が出てきちゃうから気を付けてね。」
一瞬ののち、男の子は目を輝かせながら穴を掘り始めた。
「マグマなんて出るわけね―じゃんっ!」
さっきまでのドキドキは、すっかりワクワクに変わっているようだった。
とある日には、4人のグループが広い穴を掘っていた。
1人が「土が固いから水で柔らかくしよう!」と水を入れ始めた。
最初はぬちゃぬちゃの泥づくりをしていたが、そのうち池になり、さらに土を入れ始めた。
わざと「爆弾だー!」と泥が跳ねるように思いっきり投げ込む。
周りのみんなは楽しそうに騒ぎながら逃げ回る。
そんなにぎやかな声を聞きつけてさらに人が集まり、泥投げに加わっていく。
そのうちに巨大な泥沼が出来上がった。
最初に穴を掘っていた子達も、穴は埋まったけれども満足そうに帰っていった。
穴の中には子どもたちの目をキラキラさせるものがたくさん隠れている。
根っこや粘土、ミミズ、セミの幼虫、カブトムシの幼虫。
宝物や化石だって出てくるかもしれない。
今日の子はどんな発見をするんだろう?
大人の僕には見つけられない何かを、一緒に見れるのが楽しみだ。
プレーリーダー・のっしー
※「こどもりもり」に掲載のコラムを編集のうえ、転載しています。