「もっと面白く!」の追求で脳が喜ぶ!

2017年1月7日

子どもがつくるルールの不思議

鬼ごっこをしている子どもたちを見ていると、突如バリアが登場したり、鬼の数が増えたりと、ルールを自分たちで作り変えていきます。
そのときのメンバーだったり、気分だったりでルールは変わっていきます。
それを観察していると、気づくことがあるのです。
自分が絶対に負けるルールは作らない。これは容易に想像できますが、
意外なのは自分が勝ち続けるだけのルールも作らないのです。
作っても、すぐに飽きてしまうことがほとんどです。
こどもは負けず嫌いな印象がありますが、ちょっと不思議だなと思うのです。どうしてなのでしょうか。

逃走中

 

人間の脳が一番刺激されるとき

脳科学者の茂木健一郎さんはこう書いています。
「脳にとっては、決まりきったものはあまり興味をひかない。まったくランダムな現象も、いくら観察していても、あまり学ぶことが少ないから、興味の対象にはなりにくい。もっとも興味深いのは、中間の偶有的な現象…」《「いまこの国で大人になるということ/苅谷剛彦編(紀伊国屋書店)》
※偶有的とは、「半ば決まっているが、半ばどうなるかわからない」ということ。
だから、子どもたちの遊びは、
勝つか負けるかわからない、できそうだけどできるかわからない、という一番面白いところを求めていく。
そのための方法のひとつがルール変更なのです。

レース直前書き初めフリースタイル

 

遊びが子どもを育てる

遊びの中には、そんな半分わかって半分わからない状態がたくさんあります。
木がある、僕も登れるはず。さて、どこに足をかけようか?
水路を作りたい、土を掘ればいいのはわかるけど、どこを掘るといいだろう。
たき火で焼き物もいいけど、何を焼いたらもっと面白いかな?
寒い日はなんとかして体をあたためよう、それも遊びながら!
……こうすればこうなる、とわかりきったやり方でなく、
もっと面白くするには?を追求するのが遊び。
こんな経験を繰り返しながら、こどもの脳はたくさんの興味深い出来事に出会い、刺激を受けています。
遊びは子どもにとって学びの一部。
こどもにはたくさん遊んで、育ってもらいたいと思うのです。

こたつ風料理?実験?工作?

 

やーさん

※こどもりもりvol.11(2016年12月発行)に掲載のコラムを、編集のうえ転載しています。

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