何かが「いっぱいある」というワクワク

2016年11月2日

きのこOLYMPUS DIGITAL CAMERA

雨の翌朝、こどもの森のあちこちにキノコがたくさん顔を出していた。
普段もないわけではないが、この日は思わず「うわっ!」と声が出るほどニョキニョキびっしりだった。
そこにやって来たある男の子。最初はいつも通り卓球や工作をしていたのだけど…ふと気づく。
「……めっちゃキノコあんじゃん!やば!え、何種類もあるし。こどもの森じゃなくて、キノコの森じゃん!」

目を丸くして急激にテンションが上がる彼。
キノコにテコピンをし始め、「これ、デコピンだけで吹っ飛ぶよ!」と叫ぶ(笑)。
やがてデコピンから木の棒での一気切りに遊びが変わり、
お次は別の種類のキノコを潰し始めた。

その後も、紺色のドロっとした液体が出てきて
「キモチワリー。でも、なんか入ってる!」と黒いツブが入っているのを発見→パンのようなふっくらした触り心地のキノコをぎゅーっと押すと水分が出てカラカラに。「すげー!」と目がランラン。→キノコをままごとのフライパンに入れ「キノコチャーハンだよ」。→ありったけのキノコを他の子どもたちと集めて、大きなバケツで虫よけキノコ汁を作る。結果は、ものすごく臭くて「虫よけの前に“人よけ”になっちまう」とのこと。
……結局、キノコだけでほぼ丸一日遊び倒した彼。
そして面白そうなことに寄って来ていつの間にか仲間になった子どもたち。

子どもの時って、なんでもないものが大量にあると、俄然ワクワクしたなー。
段ボール、布、発泡スチロール、新聞紙、材木、ビー玉、石ころ、虫、落ち葉。
何かがいっぱいあると、
子どもの好奇心と創造力って自動的に動き出す仕組みになっているみたいだ。

やーさん

※こどもりもりvol.10(2016年10月発行)に掲載のコラムを、編集の上転載しています。

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