彼女のこだわり

2018年7月17日

お椀に水をいっぱい入れ、どこかに向かってそろそろと歩く。
その途中で立ち止まり、お椀をさかさまにして水を捨て、また汲みに戻る。
これを何回も繰り返してる2才さん。
少し離れた所から見ていたお母さんに、何してるのかな? と聞いてみました。
すると、
「歩くと、お椀からちょこっと水がこぼれちゃうでしょ。
それに気付くとやり直してるみたい」と話してくれました。

そういうことだったのか! ひっくり返すのが楽しいということではなく、
そこには彼女のこだわりがあったんだ。
ちょっと見ていただけでは、気づけませんでした。
自分で袖をまくりながら、そーっと歩いてる彼女の表情は真剣そのものです。

母は「でも、水がもったいないよね。そろそろかな」と言い、
少しするとゆっくり近づいて
「すごく頑張ってたね。こぼさないように運びたいんだよね。一緒にやろう」
と声をかけました。すると、母の顔を見て彼女はこくりと頷きます。
もしかしたら自分でやりたい気持ちもあっただろうけど、納得できたんだろうな。
自分を見てくれてる人がいる、認めてくれる人がいる。
それってすごい幸せな事ですよね。
家事や仕事もおんなじだよな~笑。

あみ

※ちびもりvol.15(2018年7月発行)に掲載のコラムを編集のうえ転載しています。

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