「自分で決める」から、失敗も成功のもとに!

2017年12月19日

こどもの森では定番の遊びになっている「クギさし」。
子どもたちはやってくるなり「くぎ貸して!」と大きな声で五寸クギを借りに来ます。
そして入念に、色分けされた10本ほどの貸しクギの中から選んでいきます。
実は、ただの五寸クギに違いはほとんどありません。
なのに、ほとんどの子が「昨日はこれだったけど今日はこれにしよう」と真剣に選んでいくのです。

物事にポジティブに取り組める、ほんのちょっとの秘訣

 

玉川大学脳科学研究所の松元健二氏の研究に、自己決定に関する面白いものがあります。
ストップウォッチをぴったり5秒で止めるという簡単なゲームをし、
その時の脳活動を計測するというものです。
その際、グループを2つに分け、一方はストップウォッチのデザインを自分で選ぶことができ、
もう片方は決められたストップウォッチを使います。
結果は、自分で選んだグループ(自己選択条件)の方が課題の成績がよくあらわれたそうです。
しかもそのグループは、悪いことがあると活動が低下することが知られる脳の一部が、
失敗した際にも低下しなかったというのです。
この研究成果は、自分で選んだ感覚が伴うときには、失敗は必ずしも悪いことではなく、
いわゆる「成功のもと」としてポジティブな意味になるという事が、
脳のメカニズムからもみることができた、というものです。

小さなことも「自分で決める!」から楽しい&諦めない

 

確かに、クギさしに関しても、たまたまその時クギが一本しかなく選べなかった時には、
「やっぱりこのクギじゃダメだ!」と交換を求められることが多い気がします。
子どもは遊びの中で「どうしたら自分の脳が活性化し”楽しい”のか」を本能的に理解し、
自己決定することを求めて動いているのかもしれません。
大人からすると、子どもが自分で決定するのを待つのは忍耐を要しますが、
楽しさを追及している脳の活動なんだな!と考えると、いつもより待てるような気がしてきますね。

のっしー

※こどもりもりvol.17(2017年12月発行)に掲載のコラムを、編集のうえ転載しています。

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