ネガティブな感情は、心の「安心サイクル」を作るチャンス!

2019年7月3日

小さな子が、転んで泣く、自分が作っている物が壊れて怒る、他の子どもが使っている物を欲しがってぐずる――よく起こる出来事ですね。

子どものネガティブな感情って、親にとっては面倒で、つい早く収めたくなってしまう。わがままや甘えなんじゃないかしら? ちゃんとしつけなきゃ! という思いがよぎることも。そんな時、「大したことないでしょ」と相手にしなかったり、「もう一度作ればいいじゃない」と気をそらそうとしたり、「取っちゃだめよ!」と叱ったり…すると余計に荒れてしまう、なんて経験ありませんか?

では、泣く・怒る・ぐずるなどのネガティブな感情の時、子どもの中では一体何が起きているのでしょう。

拾ったどんぐりをママに見せたくて、ウキウキして向かったのに、つまずいて転倒。ウキウキしていたぶん、感情は逆流して一気に不快な感情に支配されてしまいます。望まない事態の発生でパニックになり困っているのです。それを伝える手段が、こうしたネガティブな感情表現というわけです。

痛かった? 転んでびっくりした? どんぐり、どこかに行っちゃった? その時の感情に寄り添い抱きしめてもらえると、子どもは安心を得ることができます。不快な感情が起こっても、安心することができ、自分は大丈夫と感じる――この体験の繰り返しで、ネガティブな感情にさらされても安全なんだ、と学んでいくのだそうです。

他にも、「壊れて悔しかったね」「自分も使ってみたくなったのね」と、思いを大人が汲み取って伝えることで、子どもは自分の感情を言葉で表現できるようになっていきます。そのうえで、ほかの楽しいことに目が向くよう声をかけたり、解決策を提案するなど、次に向かう後押しがしてあげられたらいいですね。

なかなかうまくいかないことも多いけれど、子どもが泣いて・怒って・ぐずっている時は、「安心サイクル」を作るチャンス!と思うと、大人の気持ちも少し軽くなるかもしれません。

参考書籍:「ちゃんと泣ける子に育てよう」(大河原美以著、河出書房新社)

※ちびもりvol.19(2019年7月発行)に掲載のコラムを、編集のうえ転載しています。

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