トカゲの「その後」

2016年7月5日

木々には葉が生い茂り、地面は草で覆われてきて、生きものたちも活気づいてきた。
こどもの森でも常にだれかが生きものを探し草木の間に目を凝らしている。

先日のこと。
「男子がトカゲ持ってきてキモいんだけど~」
女の子が僕に訴えてきた。
少し離れた場所から、男子たちがこちらの様子をうかがっている。
女の子はトカゲが心底イヤというよりは、突然顔の前に近づけられて、
からかわれたのが気に入らない様子。

トカゲ

「おお!トカゲ僕も見たい!」と、一緒に男子のところに行く。
男の子たちは怒られるのかと少し身構えていたが、次第にトカゲのことをいろいろ教えてくれた。

「木の根元で隠れていたから、挟み撃ちで捕まえたんだ!」
「指を近づけるとパクッと噛むんだよ。痛くないけどね」
「ほら、かわいいだろ?」

女の子が身を乗り出すのを見て、僕はさりげなくその場を離れた。
しばらくすると、またトカゲ探しをしている男子たち。
聞くとトカゲを飼うことにしたらしく、ひとりでは寂しいだろうからと、仲間を探しているとのこと。

ケースの中には、居心地がよくなるようにと雑草と木っ端を組み合わせたトカゲハウスができていた。
「この家、私が作ったんだよ!」
トカゲハウスに関心していると、さっきの女の子が自慢げに話してくれた。

それぞれの関わり方で、生きものを愛でる。
それでいいんじゃないのかな~。
クワガタカエル トンボ

生きものマップ 虫捕り

のっしー

※「こどもりもりvol.8」(2016年6月発行)に掲載のコラムを編集のうえ、転載しています。

GO TO TOP