「やりきる!やり抜く!」力のタネ

2019年2月1日

あそびに関する研修会で、会場の参加者からこんな質問がとびだした。
「どんどん変化する現代、これからを生きていく子どもにとって一番必要な力はなんですか?」
うーん……創造する力、共感する力、コミュニケーション能力、英語にプログラミング……。あれもこれもいわれているなか、先生はなんて答えるのだろうと興味深く聞いていると、
「これからどうなるかなんてわからないので、これですと確約はできない。でも、どんな時代になったとしてもやっぱり必要なのは、そこで『やりきる、やり抜く』力、かな」。
ふむ、それってどうやったら身につくのだろうと考えたときに、思い浮かんだのはこどもの森であそぶ子どもたちの姿。
水を運びたいけど、重くってこぼれたり倒れたり。だけど大人が手を貸そうとすると断固拒否。こぼしながら自分で運ぶ。ついた頃にはお水は少ししか残ってないけど、そんなことより運んだことに「やりきった!」の表情。
ママたちの「もう帰るよー、帰ろうよー」の声も届かないくらい夢中で追いかけっこ。走って走って、時々立ち止まってまた走って。「はー疲れた、楽しかった!」の表情。
何気ない日常の、子どもたちが「やりたい!」と突き動かされるあそびの場面に、こうした瞬間はたくさんあるな。やがて成長し、困難に直面したときに必要な、打ち克つ、やり抜く、という強さ。それも実は、小さな小さな「やりきった!」の積み重ねで育っていくんじゃないだろうか。

※ちびもりvol.17(2019年1月発行)に掲載のコラムを、編集のうえ転載しています。

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